山村自然楽校「しもなの郷」(高知県吾川郡仁淀川町)にて金子直吉翁顕彰イベント「仁淀川の輝き たゆみなく~ 金子直吉生誕の地から熱い想いを ~」が開催されました。

2018.11.23.

IMG_10992.JPG鈴木商店は大正初期に貿易年商において三菱商事はもとより三井物産をも圧倒し、総合商社の源流といわれるほどの実績を残しましたが、一方で次々に製造業を起業し一時期には60社を超える一大コンツェルンを構築しました。この大躍進を主導したのが「国家がやるべきことを鈴木がやる」「生産こそが人間の一番尊い仕事である」という固い信念の下、工業を土台にして商業を展開した大番頭の金子直吉でした。

この希代・不世出の実業家、金子直吉は慶応2(1866)年6月13日、高知県吾川(あがわ)郡名野川村(現・吾川郡仁淀川町下名野川)に誕生しました。

※冒頭の写真はイベントの会場・山村自然楽校「しもなの(さと)」(左)と下名野川地区の様子です。

kanekonaokiti6.PNG「金子直吉翁をたたえる会」は金子直吉の偉業をたたえるとともに地域活性化をはかることを目的として、3回目となる顕彰イベント「仁淀川の輝き たゆみなく ~ 金子直吉生誕の地から熱い想いを ~」を企画し、この度山村自然楽校「しもなの(さと)」におよそ50名の方が参集して開催されましたのでご紹介します。

※第1回は金子直吉の生誕150年を記念して、平成28(2016)年10月10日(月)に「生誕150年 金子直吉翁 たたえる祭り」として開催されました。


なお、このイベントには双日株式会社の小林正幸広報部専門部長が参加され、同社からは「天下三分の宣誓書」の一部のレプリカ、鈴木よね と金子直吉の胸像のミニチュア、辰巳会50周年メダルが貸与され、また漫画冊子「空飛ぶ双日」も提供され、会場にも展示されました。

※下の写真、左は金子直吉の胸像、金子直吉・鈴木よねの胸像のミニチュア、辰巳会50周年メダル、右は「天下三分の宣誓書」の一部のレプリカです。

IMG_11232.JPG【金子直吉翁顕彰イベント「仁淀川の輝き たゆみなく~ 金子直吉生誕の地から熱い想いを ~」 概要】

日 時 
平成30年11月18日(日) 13:00~16:00

会 場
山村自然楽校「しもなの郷」体育館(高知県吾川郡仁淀川町下名野川619番地 TEL 0889-36-0005)

※「しもなの郷」は元下名野川小学校で、現在は廃校となった校舎・体育館が宿泊を兼ねた多目的の交流施設としてリニューアルされ、活用されています。

主 催
金子直吉翁をたたえる会(会長:藤﨑源彦(もとひこ)

共 催
仁淀川町観光協会

後 援
高知県、NHK高知放送局、KSSさんさんテレビ、高知新聞社、RKC高知放送、仁淀川町、仁淀川町教育委員会、仁淀川町商工会、辰巳会・鈴木商店記念館

プログラムの概要(13:00開会、16:00閉会)
◯開 会
イベントは藤﨑源彦 金子直吉翁をたたえる会 会長の開会宣言により幕を開けました。

62.PNG◯落 語  清流亭つばさ「直吉伝 ~鈴木の番頭~」
7.PNG仁淀川町の若手職員でアマチュア落語家の"清流亭つばさ"さんが、明治28(1895)年に台湾が日本の領土になったころの話で、金子直吉が樟脳の先物売約で莫大な損失を抱えた際に短刀を(ふところ)に忍ばせて売約先の外国商館に赴き、自分の願いが承諾してもらえない場合には「この場においてハラキリ(切腹)をするまでだ」と言って短刀を取り出したシーンなどをコミカルに演じ、大いに参加者の笑いを取りました。



◯基調講演 小林由佳氏(神戸新聞社 論説委員)
演 題: 希代の大番頭・金子直吉の足跡に学ぶ ~現代へのメッセージ~

小林氏は、神戸港開港150年を機に平成28年4月から平成29年3月末まで神戸新聞(朝刊)に連載された「遥かな海路 巨大商社・鈴木商店が残したもの」の取材を通じて鈴木商店や金子直吉について感じ取ったことを中心に講演されました。

IMG_11152.JPG鈴木商店は登記上は清算の終了を意味する「結了」がなされていないことから、手続上は復活が可能な状態となっているがこのことは何を意味するのか、今年高畑誠一のご親族宅の遺品の中から新たにもう一つの「天下三分の宣誓書」が発見され、現在新・旧宣誓書のいずれが真筆かについて鈴木商店記念館が調査中であることなどについても披露されました。

※当日は、上記の連載をまとめた単行本(2017年6月7日、神戸新聞総合出版センター発行)が多数用意されましたが、すぐに完売状態となりました。

◯金子直吉の舞台劇「()の男 十字路に身を置かんとす」のDVD上映
このDVDは、新進女流脚本家・村田裕子氏の作・演出により自身が主催する演劇集団 LiveUpCapsules (ライブアップカプセルズ)が平成30年7月4日(水)~15日(日)の間、小劇場「楽園」(東京都世田谷区下北沢)にて公演し好評を博した金子直吉を中心にした鈴木商店の、男ばかりの熱いエネルギーがほとばしり出るような舞台のDVDの約10分のショートバージョン版で、イベント開始前と途中の休息時間中に舞台上の大型スクリーンで上映されました。

42.PNG◯パネルディスカッション
テーマ: 金子直吉のものづくり・人づくりから学ぶ
「金子直吉を知ったキッカケとは?」「金子直吉の魅力とは?」「今後、金子直吉にどう学び生きるか?」
パネリスト: 小林由佳(神戸新聞社 論説委員)、大石弘秋(仁淀川町町長)、大野晃貴彦(仁淀川町出身建築家)、西森文明(元・高知県地域支援企画員、仁淀川町駐在)
司 会:   藤﨑源彦(金子直吉翁をたたえる会 会長)

IMG_11212.JPG・小林由佳氏・・・「神戸港開港150年を迎えるに際し何かをやろうという時に、自然に鈴木商店にたどり着いた。今はどの会社でも"よねさん"のように包容力があり、どんなチャレンジでも応援してくれる人が必要ではないか」

・大石弘秋氏・・・「今、仁淀川町は過疎化により非常に厳しい状況にある。"山"という宝があり、若い人たちが頑張ってアイデアを出し合っている。金子直吉の人生から、どのような苦難でも乗り越える、そういった力を見習ってほしい」

・大野晃貴彦氏・・・「鈴木商店は東洋思想を基軸に展開していたのではないか」

※大野氏は鈴木商店の(ひさ)琢磨(たくま)(大東流合気柔術中興の祖)の門弟たちによって結成された「大東流合気柔術・琢磨会」の門下生です。

・西森文明氏・・・金子直吉に関する書籍を紹介しながら次の様に発言されました。「私は町興(まちおこ)し活性化隊として数年前に仁淀川に赴任。その時に金子について調べおられる方々と意気投合した。まだ分からないことが多いが、金子直吉が高知市で奉公していた店の主人の代理人として出廷した裁判で、名だたる弁護士を相手に勝訴したという事実が実際どのようなものであったかを今後のテーマにしたい。金子の仕事とプラーベートのギャップが面白い。奥様の支援・影響も大きかったのではないか」

会場にもマイクが向けられ、参加者からは「この会を実りあるものとするため、金子直吉の銅像の建立を検討してほしい」といった声も聞かれました。また双日の小林正幸氏からは「全国には鈴木商店に関係する史跡が点在し、鈴木の研究者、鈴木に関心をお持ちの自治体も数多く存在する。これらをネットワーク化し地方の活性化につなげてほしい。鈴木商店が行ったことは神戸発の地方の活性化そのものである。今、この鈴木の資産を活かすべきである」との意見が披露されました。(上の写真、右)

◯閉 会
大野敏光 金子直吉翁をたたえる会 副会長(前仁淀川町教育長)により「これからもこの会を継続したい。またお会いしましょう」と閉会宣言がなされ、今回のイベントも盛況の(うち)に幕を降ろしました。

なお、イベント会場には「金子直吉の足跡」「金子直吉の顕彰活動」「鈴木商店にまつわる話」「鈴木商店の人物関係図」「金子直吉・鈴木商店関連書籍」などに加えて、前記「天下三分の宣誓書」の一部のレプリカ、鈴木よね・金子直吉の胸像のミニチュア、辰巳会50周年メダル、漫画冊子「空飛ぶ双日」、さらに太陽鉱工から提供された冊子「鈴木商店物語」などがあわせて展示され、多くの参加者が金子直吉の人生や鈴木商店の業績に思いを巡らしておられました。

tennjikounaa.PNG1.PNGまた、イベント当日は上記のプログラムのほか、40点余りの仁淀川に関する写真を展示する「仁淀ブルー写真展」が同時開催され、お昼どきには「直どんの農家レストラン」が開店し、多くの方がおばちゃん達がつくる田舎の料理・地元の幸を堪能されました。

なお、このイベントに関する写真は前記の西森文明氏と小林正幸氏よりご提供いただきました。



下記のチラシなど関連資料、関連リンクもご覧下さい。

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