築別炭砿坑口浴場の浴室内部(平成26年7月)

昭和35(1960)年11月30日、築別炭砿において待望久しかった坑口浴場が完成した。鉄筋コンクリート防火造、総面積409.9㎡で工費は1,178万円であった。場所は本斜坑口のすぐ北側に位置していた。脱衣室はモルタル仕上げで、ロッカーの数も十分にあり、濡れた作業衣もスチーム乾燥できるようになっていた。浴槽は大小2つあり、大きい方で炭塵を洗い落とし、小さい方は上がり湯専用であった。浴室の壁には13面の鏡がはめ込まれ、石鹸はもとより櫛、ポマードなども一切会社の支給。浴場の出口付近には売店もあり、牛乳などは原価で提供されていた。この坑口浴場の完成により、坑内勤務者の出退勤時の服装は一般のサラリーマンと変わらなくなった。その後、羽幌本坑、上羽幌坑にも坑口浴場が完成した。現在は訪れる人々を拒むかのように、建物全体が木々に覆われつつある。

関連リンク

サイトマップ

TOP