辰巳橋(平成26年7月)

築別炭砿駅を降りて炭鉱の中心部へ向かう時、人々は必ずこの橋を渡らなければならなかった。すなわち、築別炭砿事務所方面に通じるメインストリートの途中に築別川が流れており、そこに架かる橋が「辰巳橋」である。橋の名称は、かつて鈴木商店の先代・鈴木岩治郎が番頭として働きその後鈴木商店が暖簾を譲り受けた「辰巳屋」に由来する。鉱員が炭坑に入るために使用する橋であり、住民が役場支所、消防本部、会館、クラブ、配給所、生協、大五百貨店、映画館、スキー場、ジャンプ台、さらには大山祇神社への参拝、お祭りの出店、花火大会、などに行くためには必ず通る、生活に密着したなくてはならない橋であった。辰巳橋は羽幌炭砿創業期の昭和16(1941)年に架設された。その後昭和31(1956)年に架け換えられたが幅員4.5㍍とあって大型バス、トラックの通行は幅ギリギリ一杯で通行量も急増していたことから架け替え工事を行い、昭和38(1963)年11月、住民のだれもが待ち望んでいた幅員9㍍(内「人道」3㍍)、全長37㍍の鉄筋コンクリート造りのスマートな永久橋が完成した。現在橋全体の老朽化は進行しているものの、まだその機能は維持されている。(写真は辰巳橋の上からかつての築別炭砿駅方面を望む風景である。)

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