辰巳会・会報「たつみ」シリーズ㊹「たつみ第44号」をご紹介します。
2022.10.15.
「たつみ第44号」は、昭和61(1986)年1月1日に発行されました。会員の高齢化からか、最近は会員の投稿が殆ど見られなくなった。わずかに「辰巳会会員の便り」が会員の動静を伝えています。恒例の辰巳会長寿番付によれば、昭和61年正月現在の会員数は、254名を数え、平均年齢は84歳、最も若い会員が76歳と高齢化が一段と進んでいます。
昨年、昭和60(1985)年11月4日、辰巳会幹事長の大幡久一氏が93年の生涯を閉じました。本号には、大幡氏の死を悼み、辰巳会会長・鈴木治雄氏を始め、大幡氏と親交のあった会員による弔辞が寄せられました。大幡氏は、大正7(1918)年鈴木商店に入社、帝国人造絹糸・取締役三原工場長を務め、鈴木破綻後の戦時中には人絹統制会で、戦後はGHQ顧問としての要職を歴任。昭和53(1978)年から辰巳会幹事長を務めていました。(詳細は、下記の関連トピックスをご覧ください。)
◇「黎明の女たち ~幻の商社に実在したもの 鈴木よね~」島京子編(たつみ第44号)
明治・大正・昭和初期の黎明期を生きた8人の女性にスポットを当て女性作家たちが綴った"ひょうご女人列伝"「黎明の女たち」が神戸新聞出版センターから出版されることになった。
鈴木商店女主人・鈴木よねについては、神戸生まれ、鈴木よねゆかりの神戸女子商業(現・神港橘高等学校)中退の島京子により紹介されている。なお、本書にて紹介された女性活動家&作家は以下の通り。
〇辰馬きよ(辰馬本家創業) 村尾美恵 〇神中糸子(女性洋画家) 田中ひな子 〇富井於莵(女性解放運動) 駒井妙子
〇野口ゆか(保育事業) 柏木薫 〇寺島ノブヘ(老人ホーム創設) 芝野慶子 〇城ノブ(婦人・孤児救済) 桜井利枝
〇大野悦子(救護事業) 芝野慶子 〇鈴木よね(鈴木商店女主人)島京子
本書の編者・島京子は、鈴木よねの愛孫で高畑誠一夫人のちよへの取材で、よねの人物像についてちよの語る興味深いエピソードを披歴している。
「祖母(鈴木よね)は大して頭のええ人とは思いませんでしたけど、父(2代目岩次郎)は大へん頭のええ人でした。あれほど目から鼻へ抜けるというか、何というか、それでいて包容力があって、人をそらすことがなかった。父ほど頭のいい人は、その後あまり知りません。遊んだのはいけなかったけど」
◇「辰巳会会員の便り」
会員・準会員30余名よりの近況を伝えています。(詳細は、下記の関連リンクをご覧ください。)
◇「辰巳会だより」
辰巳会各支部の活動状況を伝えています。「本部秋季例会」は、昭和60(1985)年10月22日に50名の参加を得て丹波篠山へのバス旅行として実施された。「中部支部」では、同年10月1日伊勢・志摩への1泊旅行を、「東京支部」では、同年11月7日秋季旅行会として31名の参加により山梨への日帰り旅行が実施された。(詳細は、下記の関連リンクをご覧ください。)