辰巳会・会報「たつみ」シリーズ㉘「たつみ第28号」をご紹介します。

2021.10.26.

たつみ第28号表紙.png「たつみ第28号」は、昭和53(1978)年1月1日に発行されました。同号の表紙を飾るのは、「江戸釵(かんざし)」3種。いずれも銀製、象嵌造りで、箱の右より"印籠"、"二十四孝筍堀り、"福袋打出小槌"の細工が施されている。

 昭和51(1976)年より神戸新聞に連載された「海鳴りやまず」は、大きな反響があり、順次加筆されて文庫本が出版されましたが、2013年電子書籍版として復刻されました。

◇「海鳴りやまず 余話(座談会」 / 神戸新聞「海鳴りやまず」に就いて

 昭和51(1976)年7月から神戸新聞に「海鳴りやまず ~神戸経済人の一世紀~」と題する特別企画が連載中の折、"明治・大正期に神戸を築いた経済人"に関して同新聞社主催の座談会が催された。近代神戸の発展は、兵庫の資産家の存在を忘れてはならないと云う。(詳細は、下記の関連リンクをご覧ください。)

 「海鳴りやまず」は、昭和51年から3年に亘って連載された後に加筆され、順次単行本(全4部)として刊行された。そのうち第2部は、大正期の経済を牽引した松方幸次郎、金子直吉、賀川豊彦らが登場。更に昭和56(1981)年には、大阪梅田コマ劇場(平成4(1992)年閉場、跡地に現・梅田芸術劇場)開場25周年記念公演として舞台化され好評を博した。(演出 劇作家・花登筺;金子直吉役 藤岡琢也、鈴木よね役 月丘夢路) 

◇「38年間バネ一筋に(清談閑談)」坂本寿(日本発条名誉会長)

 土佐・高知商業出身で鈴木商店にボンさんとして入社し、鉄材部経理担当としてスタートするも鈴木破綻後、日本発条の設立に加わり、以来バネ一筋に歩み日本発条を世界的な企業に導いた坂本寿に日刊工業新聞が取材したインタビュー記事を紹介している。(詳細は、関連リンクをご覧ください。) 

◇「太陽鉱工(株)重金属類の精錬で高いシェア 」

 鈴木商店の曹達事業から設立された「太陽曹達」を源流とし、鈴木破綻後、その後継会社として再出発した「太陽産業」の後身会社「太陽鉱工」は、モリブデン、バナジウムなどの重金属精錬のトップシェアを有するメーカーと同時に鈴木家の事業会社としても知られる。

 この程、日経新聞の特集「神戸の中堅100社」に取り上げられた。(詳細は、関連リンクをご覧ください。)

◇「太閤秀吉と金子直吉翁」小野三郎

 大正4(1915)年、神戸高商出身で鈴木商店に入社。"高商派"として金子直吉に親しく接した筆者は、金子を落日の名将を思わす事業の鬼と尊敬し、戦国時代、天下を掌握した太閤秀吉の心境に相通じるものがあると感じていたところ、偶々目にした書籍「名将に学ぶ」中の太閤に係わる史話に感動したとその内容を紹介している。(詳細は、下記の関連リンクをご覧ください。)

◇「辰巳会だより 東京支部SZK回顧50周年記念例会」

 辰巳会東京支部では、昨年昭和52(1977)年8月に開催された「鈴木商店回顧50年辰巳会全国大会」に引き続く形で、回顧50周年記念例会として"はとバス"による「鎌倉古寺巡りツアー」を実施し、41名の参加があった。(詳細は、関連リンクをご覧ください。)

◇「楠瀬正一さんと私」中村勇吉 

 「たつみ第21号」にて「『カネタツ』マークと私との絆」と題し、鈴木商店時代から携わった薄荷事業について投稿した筆者が、鈴木入社当時、薄荷・樟脳部長の楠瀬正一氏との出会いから、同氏と二人三脚で薄荷事業の発展に尽くして来た経緯を再び投稿した。鈴木破綻後は、一時期別々の道を歩んだが、やがて鈴木薄荷という舞台で合流、同氏と共に鈴木薄荷の経営を担い、今日の同社の基盤を確立した。(詳細は、関連リンクをご覧ください。) 

◇「偉大な鈴木の足跡」藤沢義夫

 昭和26年から3年ほど一時札幌に居を移した筆者が札幌、小樽周辺に鈴木商店ゆかりの場所や足跡を発見し、改めて鈴木の偉大な存在を認識したと云う。(詳細は、関連リンクをご覧ください。) 

◇「映画 一番星から」(インド・タタ銑鉄輸入商権を死守)今村頼吉

 昭和52(1977)年4月4日、折しもNHK連続TV小説「いちばん星」が始まったが、奇しくも50年前の4月4日鈴木商店が破綻し、整理に入った日であった。鈴木商店で鉄材部に所属していた筆者は、当時の最大の商権の一つであったインド・タタ製鉄からの銑鉄輸入を巡り、鈴木破綻後、三井を始め他商社が触手を伸ばす中、楓栄吉(鉄材部部長)、堀口菊蔵(鉄材部課長)など関係者全ての懸命な努力により同輸入権を守り、新生・日商に引き継ぐことができた。タタ財閥グループとはその後も友好的な関係が築かれ、現・双日の大事な商権として維持されている。(詳細は、下記の関連リンクをご覧ください。)

 

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