神戸製鋼所の前身・小林製鋼所と鈴木商店との譲渡契約に係わる資料をご紹介します。
2025.12.21.
明治38(1905)年、東京の書籍業・小林清一郎は、海軍省技監・小杉辰三の勧めにより神戸脇の浜に「小林製鋼所」を設立。然しながら初出鋼に失敗し、資金的にも行き詰まり操業1ヵ月あまりで身売り話が出て鈴木商店に救済を求めた。
小林製鋼所を引き受けることになった鈴木商店は、同年"神戸製鋼所"と改称し、鈴木商店直営工場として運営するも技術的に未熟なこともあり操業難から再三経営不振に陥り工場閉鎖も度々協議された。明治44(1911)年、鈴木商店から分離独立することとなって鈴木商店全額出資(資本金140万円)の株式会社として再出発し、今日の神戸製鋼所が誕生した。(画像は、創業期の神戸製鋼所)
小杉辰三が新生・神戸製鋼所の創業期に初代技師長として果たした功績は極めて大きく、小杉の死後、神戸製鋼所は創業30周年の際、小杉に感謝状を贈り高く評価している。
この程、小林製鋼所創立者の一人、小杉辰三の親族より小林製鋼所と鈴木商店との間で交わされた譲渡契約に係わる関係書類(コピー)の提供を受けた。なお、同関係書類原本は、既に神戸製鋼所に提供されたとのこと。

