鈴木よねの日記「日用ひかえ」シリーズ⑥「大阪観兵式に参る 」をご紹介します。

2025.11.4.

 スクリーンショット (122)大正3年観兵式.jpg即位(1912年)後初の観兵式となる大阪陸軍特別軍事演習が、大正天皇統監により大正3(1914)年11月15日、大阪淀川交野ヶ原において行われた。お家さんが当日ご尊顔を拝するため大阪まで出かけたことが記されている。下記書下ろし文をご覧ください。

「(大正3年)11月   大坂へカンペ式(観兵式)のため天皇陛下御下がりに相なり、其の節大坂へ拝みに参る時には大正保険会社のおもてにて拝む事   帰りに後藤毛織の店へ寄りいろいろ品物を見、お茶などよばれて帰る 夕飯に鶴やへ行きて提灯行列見ながら停車場へ行く」

 (原文は、以下の関連資料をご覧ください。)

 当日、大阪では前年の大正2(1913)年、伯爵・柳原義光を社長に迎え設立した"大正生命保険"の大阪支店の正面にて天皇のお顔を拝したこと、その帰りには後藤毛織に立ち寄って毛織物製品を見て帰った。夕食は北浜の有名料亭"つる家"に行かれた。

 後藤毛織は、翌大正4(1915)年鈴木商店により買収され、東洋毛織を経て東京毛織の誕生につながり毛織物業界に圧倒的な地位を築いた。

 horiie-02大正天皇行幸記念碑.jpgなお、大正3年の大阪での陸軍特別大演習に大正天皇の行幸を記念し、後年昭和3(1928)年11月、観兵式をされた現地(現在のJR星田駅)には「大正天皇行幸記念碑」が建立された。

関連資料

関連リンク

TOP