鈴木商店の商品シリーズ③「薄荷の話」

かつて世界市場の70%以上を占めた日本の薄荷は、農産物として類まれな競争力があった!

hakka.jpg薄荷は、シソ科ハッカ属の多年草で、今から3,500年前、古代ギリシャで生薬として利用されていた記録が残っており、歴史上最も古い栽培植物の一つといわれる。日本へは約2,000年前、中国から伝わった。平安時代には、山菜としても食され、室町時代には薬種として使われた。

日本薄荷(Japanese peppermint)は、通称「和種薄荷」とよばれ、洋種薄荷と区別される。水蒸気蒸留により、薄荷油を抽出し、これを冷却して再結晶させ、複合結晶「ハッカ脳(L・メントール)」を得る。

<製造工程>

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                                                     (鈴木薄荷ホームページ)

「薄荷油」は、医薬用(貼付剤、軟膏剤)、香料用、製菓用、香粧品などに使われ、「薄荷脳(メントール)」は、医薬品、食品、香粧品などに用いられる。

我が国での本格的な栽培は、岡山から始まり、広島、新潟、群馬、山形を経て明治17年頃、北海道に広まった。北見周辺での栽培が盛んとなり、北見薄荷工場は当時の世界最大の薄荷精製工場として世界市場の70%以上を生産したという。その後、合成ハッカやインド、ブラジル産などの安価な輸入薄荷が進出し、昭和58年永い歴史の幕を下ろした。現在、網走地区でわずかに生産が続いている。(北見ハッカ記念館  http://www.kitamihakka.jp/

薄荷の語源は、薄荷の葉を蒸留して、薄荷油を採るとわずかな量しかならず、馬車で運ぶ時に荷が少なくなることに由来するという説があるが定かではない。鈴木薄荷のホームページには、馬車が薄荷を運ぶイラストが描かれている。漢字では、薄荷のほか夜息花、蕃荷菜、人丹草などがあるが、現在、中国でも「薄荷(bo he)」が使われている。(百度(Bai du)

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  • 薄荷脳
  • 薄荷油

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