①鈴木商店浦汐出張所

極東ロシアへの前進基地

鈴木商店浦汐出張所:P.O. Box No.12, 5 Markelowsky Lane, VLADIOVOSTOK 

 日本からの出稼ぎ移民が始まって間もなくの明治10(1877)年には、鈴木商店が同地に拠点を設けたと掲載されているが確かではない。。その後明治29(1896)年には、岩井商店もウラジオストクに出張所を開設しているとしている。 ウラジオストク - Wikipedia (日本との関係~ロシア帝国時代の項) 

 大正初期のウラジオ出張所所長には、入野寅蔵が派遣された。入野夫婦ともロシア正教会の信徒で、大正12(1923)年には、浦塩日本居留民会会頭、浦塩日本商業会議所副会頭を務めた。

 大正4(1915)年、ペトログラード出張所に赴任した永井幸太郎の活躍によりロシア産の銅・亜鉛鉱石の日本向け輸出商談が続々と成立、品物はCIF浦汐(浦汐港渡し)、代金はポンド建て英国払いで英国一流銀行より鈴木商店ロンドン支店経由で鈴木本店の口座に入金された。入社間もない小川実三郎がロンドン赴任の前後、この商談の事務処理を担ったこと、永井幸太郎は、鈴木のロシア貿易の開拓者だったと後年述懐している。

 

関連資料

  • 入野寅蔵・義郎親子が住んだ住宅
  • 鈴木商店ウラジオ出張所新聞広告(浦潮日報 大正6年12月15日付(ゾーヤ・モルグン著「ウラジオストク」)
  • ウラジオストク出張所長入野寅蔵と家族写真(ゾーヤ・モルグン著「ウラジオストク」)

TOP