上羽幌坑の連斜坑口

閉山の前年、昭和44(1969)年に連斜坑の掘進に着手  

上羽幌坑は羽幌本坑開坑の1年前、昭和22(1947)年8月に開坑し、昭和24(1949)年に羽幌本坑と合併して以降、両坑一体となって徹底した合理化と技術革新を推進していった。

当時最先端の採炭方法であった「ホーベル採炭」導入など、相次ぐ機械化により出炭量の増加を実現した上羽幌坑は昭和44(1969)年9月、石炭運搬能率の向上、事故防止の観点から1億4,000万円を投じて全長1,800mの連斜坑の掘進に着手し、昭和45(1970)年7月頃完成したが、この時すでに炭砿の閉山が間近に迫っていた。

上羽幌坑の連斜坑口は、文字通り地下に向かって傾斜している「斜坑」と呼ばれる坑道の入口である。地下の炭層に向けてほぼ垂直に入って行く「立坑」(羽幌本坑の運搬立坑が典型的な立坑である)と、ほぼ水平に入って行く「横坑」に対応する。「斜坑」の坑口は必然的に地面から斜めに突き出た形になる。                              

連斜坑口は上羽幌神社の裏手からさらに進んだ山中に位置しているが、現在坑口は苔むしており全体が木々に覆われている。坑口の上部にはかすかに「連斜坑」の文字を確認することができる。


  • 上羽幌坑連斜坑口跡(平成25年頃)
  • 「連斜坑」の文字が見える(平成25年頃)

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