⑤漢口(武漢)

鈴木商店漢口出張所は、上海支店と連携して中国への砂糖輸入を担った

 湖北省武漢市の一部。長江と支流の漢水(漢口)が合流する地点。現在、漢口という自治体は存在しない。

 1858年の天津条約により漢口にイギリス租界が置かれ、続いてドイツ、フランス、ロシアが相次いで租界を開いた。列強各国に遅れて1885(明治18)年、日本も漢口に租界を置いた。

 イギリス租界には各国の企業が進出し、漢口地区の経済の中心地として発展した。当時は揚子江中流最大の文化都市として栄えた。 

 鈴木商店漢口出張所は、明治末期に開設された。明治38(1905)年、三井物産神戸支店より鈴木商店に中途入社した松島誠(後に東工業(大正2年)を経て帝国人造絹糸取締役、常務取締役を歴任)が漢口出張所主任を務めていた。 

 中国の砂糖輸入は、長江流域の上海、鎮江、漢口の3港に集中していた。鈴木商店漢口出張所は、上海支店と連携して日本糖およびジャワ糖の中国への輸入を担っていた。

関連資料

  • 現在の漢口
  • 漢口民政路
  • 鈴木商店漢口出張所広告(東川崎町本店時代)

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