建築家・河合浩蔵とみかどホテルを掲載します。

2015.10.10.

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明治・大正期に活躍した建築家・河合浩蔵(安政3(1856)年~昭和9(1934)年)は、工部大学校(現・東京大学工学部)で英国出身の建築家・ジョサイア・コンドルに建築を学んだ後、工部省に入り議院建築研究のためドイツに留学します。

帰国後、司法省技師として司法省庁舎の建設に従事しましたが、明治30(1897)年退官し多くの建築に携わり、関西建築界の長老として実績を残しています。ジョサイア・コンドルに学んだ工部大学校の3期先輩の辰野金吾が主に東京を舞台に活躍し、日本銀行本店、中央停車場(現・東京駅)、国技館など数々の著名な建物を残したのに対し、河合は専ら関西を地盤に実績を残しています。

河合の代表的な建築物は、大阪地方裁判所庁舎(明治29(1896)年)、神戸地方裁判所庁舎(明治37(1904)年)、造幣局火力発電所(明治44(1911)年等がありますが、民間建物としても著名な建築物を残しました。

神戸の後藤回漕店創業者・後藤勝造の依頼で設計したみかどホテル新館(明治39(1906)年)は、後の鈴木商店本店としてその活動の舞台となりました。また、小寺家厩舎(明治43(1910)年)、岩井商店創業者・岩井勝次郎の神戸御影の邸宅(大正5(1916)年)ほか明治・大正期の神戸財界人にまつわる建築にも大きな足跡を残し、現存するものは多くが重要文化財や登録有形文化財に指定されました。

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