「鈴木商店シンポジウム~開催のご挨拶」をご紹介します。

2015.8.20.

5月末の鈴木商店記念館シンポジウムにて、記念館の金野編集委員長が、開催の挨拶を致しました。今回そのご挨拶の全文を掲載いたします。

鈴木商店記念館の設立経緯と辰巳会の歴史がまとめられ、鈴木商店破綻時の鈴木よねの想い、そして辰巳会の発足時の高畑誠一が述べられた「懐旧の情」について紹介されております。

鈴木商店に対する「懐旧の情」は、記念館を通じて未来にも語り継いでいければと願うところでございます。

「本日は鈴木商店シンポジウムの開催にあたり北海道から四国・九州まで、かくも多くの皆様にご出席いただき感謝申し上げます。

主催者であります「辰巳会鈴木商店記念館」は2013年10月に創立いたしました。本館の目的は、インターネット上に鈴木商店記念館を設立し、鈴木商店並びに関連企業・団体の歴史資料の保存活動を行うことにあります。創立から半年後、昨年4月にインターネット上に鈴木商店記念館を開設することができました。

開設にいたるまでには、本日ご出席くださいました皆様をはじめ、全国各方面の研究者、有識者、団体様から様々な史料提供のご協力によるものです。開設から一年が過ぎ、鈴木商店記念館は現在も歴史資料の保存拡充をすすめています。「辰巳会鈴木商店記念館」の運営は、協賛企業並びにボランティアの支えによります。協賛企業は神戸製鋼所、帝人、双日、太陽鉱工をはじめ、30社ほどになります。ここに協賛企業の各社そしてボランティアの皆様に心より御礼申し上げます。

ここで「辰巳会」のことを少しふれたいと思います。「辰巳会」は鈴木商店記念館に紹介しておりますが、昭和35(1960)年)に鈴木商店並びにゆかりの企業に働かれた方々の親睦の集いとして創立されました。鈴木商店解散から35年目のことになります。

発会で、全国から参集された方々の思いと共に辰巳会会長高畑誠一は「懐旧の情にたえない」と述べておられます。この思いは鈴木商店時代を思い起こすそれだけではなく、昭和2年4月の鈴木商店解散にあたり社長鈴木よねが社員に送った挨拶状に「整理なり復興の緒につきたる上は復し、ご一同のご尽力に待つべきもの多かるべし」とあり、鈴木よねの再興を果せず35年間抱いていた会員の思いもこの「懐旧の情」に込められているのではなかったかと思われます。

辰巳会の会員は発足から20年間に全国に千名を数えるほどになっていました。しかし、その後は会員の死去とともに、減少の一途にあります。

鈴木商店は法人となった合名会社鈴木商店から解散までわずか25年の歴史でした。「産業発展が国威発揚」を旗印に実現してきた巨大企業鈴木商店。その足跡は現代に多くの教訓を残していると考えます。

本日のシンポジウムは、「鈴木商店の再評価に向けて」であります。ご出席の皆様とともに新たな鈴木商店の発見がなされることを期待してオープニングの言葉とさせていただきます。

以上

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