築別炭砿自慢の六函返しチップラー      (昭和35年頃)

チップラーとは炭車から採掘した石炭を降ろすために炭車自体を横転させ、石炭の自重で落下させる装置である。鋼製の枠の両端にある回転用リングを小さいローラーで支持し、このローラーを電動機で駆動することによって支持された炭車を回転させる。当時は1回に2函(はこ)程度の炭車を回転させる装置が一般的であったが、築別炭砿では永田製作所という企業と提携して1回に6函を回転させるという画期的な装置を共同で開発・設計し、双方の会社でこの装置の特許を保有していた。このため、他の炭鉱の技術者の見学が絶えなかったという。坑内から電車によって索引され出てきた炭車が原炭ポケット前で実車線とズリ線に区分され、チップラー内に押し込まれる仕組みになっていた。チップラーは径2.2㍍、長さ15.6㍍で毎分4回転し、毎時150㌧の処理能力を持っていた。また、原炭ポケット上を横行中に任意の位置で横転し貯炭することが可能であった。   

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